2017年3月25日土曜日
雀荘の母
子供の頃、友達の家に「ドンジャラ」があることが多かった。キャラクターの絵のついた子供版の麻雀のような家庭用ボードゲームだ。それで遊んだことはなかったのでルールは分からずじまいだった。大人になっても麻雀は興味がないし、縁のないものと思っていた。
よく近くを通る池袋の立教大学の近くにある古い雀荘のタイカには、カレーがあり、麻雀をするのでなくカレー目的だけのお客さんも歓迎らしい。
土曜日のお昼時、ものは試しと、恐る恐る扉を開けると、タバコの煙の匂いが鼻をついた。
その匂いの先を追うと、奥に学生らしき四人組がいて脇のテレビの甲子園を気にしつつ、盛り上がっていた。
色々と物が置かれたカウンター越しに感じの良いおばさん2人が顔を出した。
「あの、カレーを‥」と言うと、慣れた調子で「はいはい」と手前に唯一カバーのかかった雀卓の席に座らされた。大・中・小から中カレー(¥450)を頼み、どうもやっぱりこの場に浮いているなぁとそわそわ待った。
中カレーもなかなかボリュームがあった。昔ながらのシルバーの深い容器にこんもりアーモンド型に盛られたご飯、豚コマがたっぷりの黄色いトロトロカレーと真っ赤な福神漬け。
壁にはずらっと学生の寄せ書きが並んでいた。カレーのノスタルジックな優しい味は彼らにお腹いっぱい食べさせたい親心のようなものから生まれたのだろうか。
この雀荘の母カレーには、食べ盛り遊び盛りの学生たちだって雀鬼だっても心を鷲掴みにされるのだろうと思う。
(タイカ/池袋)
2017年3月18日土曜日
焼きを入れる
看板に「焼きカレーの店ストーン」とあるくらいで、ストーンのメニューの一番上には、焼きカレーが表記されているのだけど、以下(順不同の記憶)焼きスパゲティ、焼きハンバーグ、焼きハンバーグカレー、焼きロールキャベツ、焼きタコライス‥と怒涛の「焼き」メニューが並び、更にピラフやカレーライス、など続く。
ここは素直に焼きカレーにした。
表面のこんがりチーズにフォークを入れるとブロッコリーとウィンナーと余熱で固まっていく卵の入ったカレーとご飯が出てきた。
こんがりチーズとトロトロ卵ってだいたい美味しくなる二大ドーピングフードだと思うけど、それに寄らずカレー自体もすごく美味しいのだ。
猫舌にサディスティックに鞭打ってマゾヒスティックにハフハフ食べていると水もすぐ注ぎに来てくれた。私は紅茶党だけど、サイフォン式コーヒーだし、ここで焼きを入れるのはおすすめだ。
(浅草橋/ストーン)
2017年3月16日木曜日
中央線フロンティア
大学は八王子だったし、沿線には友達も住んでいるし中央線にはそこそこ馴染みがあるけど、駅の並びはいまいち覚えていないし、まるで縁のなかったのが小金井のあたりだった。東小金井も武蔵小金井もどっちがどのへんよと。
アッキーが東小金井に住みだして、美味しいカレー屋もあるから遊びにきなよ、いくよ、というやりとりがあったのは、しばらく前で、やっと遊びに行った。
連れて行ってもらったのは可愛らしい南インドカレー屋のインド富士。
辛口のチキンカレーとマイルドな野菜のカレーに付け合わせのアチャールのインド富士セットを食べた。サラサラのカレーが気持ちよく粘膜を刺激しつつ消化に優しい軽さでおいしかった。
店を出て、適当に歩いていたら公園を見つけたりした。「何もないとこだよ」とアッキーは言うけど、そう言われるとこをわざわざ歩くのが好きだったりする。
インド富士は、素敵な店だけど、今月末で閉店してしまうらしい。それでもまた東小金井には遊びに来ようと思う。
ちなみに姉妹店が高円寺にあるらしいけど、高円寺に住む友達はいない。武蔵境と阿佐ヶ谷と吉祥寺はいるのになぁ。
(インド富士/東小金井)
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