2016年12月29日木曜日

彼らの休み




日本橋で事務所を間借りしているチヨとお昼ごはんを食べようと会いに行った。

ファブリックブランドを立ち上げたチヨは、その仕事で度々インドに行っている。現地では胃に合わない時もあって、意外とカレーを食べずホテルのレストランのパスタで済ませたりすることも多いらしい。

そろそろランチタイムが終わってしまう店も出てくる時間、どうしようかと三越前から京橋まで歩きラストオーダーちょうどで南インド料理屋のダクシンに入った。

ミールスセットは盛りだくさんだった。野菜カレー、魚のカレー、ヨーグルトの入ったオクラの白いカレー、ラッサム 、パパド、お米、ドーサにココナッツソース、ワダ(豆粉のドーナツ)。


ゆっくり味わいたいけど、15時で一度閉店ということで、唯一日本人のホールスタッフにやや急かされる。

「田中邦衛のモノマネしたろうか」(かの有名な『北の国から』の「(こどもが)まだ食ってる途中でしょうが!」というやつ)なんて言いつつ、カウンター越に目をやるとピカピカに皿を吹き終え手持ち無沙汰な様子のインド人スタッフたちがいた。どうやらお昼休み待ちのようだった。
彼らの休み時間が遅れるのも申し訳なく、15時きっかりには食べ終えた。

少し慌ただしい年末、美味しい食事を提供してくれた彼らがゆっくりごはんを食べられたらいいと思った。

                             (ダクシン/京橋)






2016年12月17日土曜日

汗かきへの羨望



小鳥のさえずりのような店名のカーナピーナは昔からある「町の喫茶店」のような佇まいだけど、入った途端にブワッとその香りに包まれるカレーのお店だ。

各テーブルとカウンター席の間にそれぞれ種類の違う花がそっけなくガラスコップに挿さっていた。
先客たちは皆「ハァハァ」言いながら汗を拭いている。

辛さはマイルド・セミホット・ホットとあり、セミホットでもかなり辛いらしい。
どうやら他のお客さんたちはセミホット以上を選んでいるみたいだけど、カレーは好きでも辛いのは苦手な拙舌、もちろんマイルドでチキンサグ(このカレーで辛いのはないと思う)とパラタを選ぶ。

そばの席の夫婦が額を拭きながら、「ビールが甘く感じる」と言っているのを聞き、やや心配になった。
でもチキンサグはスパイスのパンチが効いているけれど、辛くはなくとても美味しくて、デニッシュみたいなパラタと供にすいすい食べた。

店内を見渡すと、涼しい顔をしているのは私だけ、やはり皆汗だくだ。
もともと汗をかきにくい体質で、夏場など汗かきの友人に羨ましがられたりもする。
でもなんだかここで汗をかかずに済むのは心なしか惜しいことをしているような気がしつつ店を出た。 

                          (カーナピーナ/祐天寺)